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米農家が教える「新米の炊き方」!炊飯器でOK、水加減と早炊きが鍵

新米の炊き方

ツヤツヤで、噛むほどに甘みが広がる新米。食卓にあるだけで、なんだか幸せな気持ちになりますよね。

でも、こんなお悩みはありませんか?

  • 「せっかくの新米なのに、なぜかベチャッとしてしまう…」
  • 「毎年、水加減が分からなくて美味しく炊けない」
  • 「古米と同じように炊いたら、なんだか柔らかすぎる気がする」

意外と知られていませんが、新米には新米ならではの炊き方のコツがあります。
この記事では、新米の美味しさを最大限に引き出す炊き方を、5つのステップに分けて丁寧に解説します!

目次

なぜ炊き方が違う?「新米」と「古米」の大きな違い

新しいもの、古いもの

「どうして新米は炊き方が違うの?」
その答えは、お米が含んでいる「水分量」にあります。

  • 新米:収穫されたばかりで、粒自体に水分をたっぷり含み、みずみずしい状態です。
    (※一般的に、秋に収穫されてからその年の年末までに包装されたお米を「新米」と呼びます)
  • 古米:保管されている間に水分が抜け、乾燥しています。

この水分量の違いを知らずに古米と同じ感覚で炊くと、水分が多すぎてベチャッとした仕上がりになってしまうのです。せっかくの豊かな甘みや粘りも感じにくくなってしまいます。

私が生産している源四郎のお米は「雪室」という施設で保管しており、水分量の変化が比較的少ないのが特徴です。雪室についてはこちらで詳しく解説しています。(雪室について)

新米ならではの特性を理解して、その魅力を最大限に引き出しましょう。

炊飯器でOK!新米の美味しさを引き出す「5つのステップ」

ここからは、いよいよ実践編です。難しいことはありません。いつもの手順にほんの少し手間を加えるだけで、新米は格段に美味しく炊き上がります。

※さらにこだわった「米農家直伝・最高のお米の炊き方」は、以下の記事でも解説しています。

ステップ1:【計量】お米を「正しく」計る

意外と見落としがちなのが、お米の計量です。お米用の計量カップを使い、指や箸ですりきりにして正確に計りましょう。このひと手間が、水加減のブレを防ぐ最初の重要なポイントです。

より正確に計るなら:キッチンスケールで「1合=150g」として計量するのもオススメ!

ステップ2:【研ぎ方】「優しく、素早く」が鉄則

お米は、最初に触れる水を一気に吸収します。汚れた研ぎ汁を吸わせないために、スピードが命です。

  1. 最初の水は「すぐに」捨てる
    ボウルにザルを重ね、計量したお米を入れます。一気に水を注ぎ、お米を軽くかき混ぜたら、すぐにザルの水を切ります。(※ここで時間をかけると、ヌカの匂いをお米が吸ってしまうので注意!)
  2. 優しく「研ぐ」(洗う)
    ボウルに少し水を溜め、指を立ててシャカシャカと円を描くように優しく研ぎます。力を入れる必要はありません。水を入れ替えて「すすぐ」作業を2〜3回繰り返します。

最近の精米技術は向上しているので、水が少し白く濁る程度でOKです。ゴシゴシと洗いすぎる必要はありません。

ステップ3:【水加減】最重要!「目盛りより少し少なめ」

いよいよ一番の重要ポイント、水加減です。
新米は水分を多く含んでいるため、古米よりも水を控えるのが鉄則です。

炊飯器の釜の目盛りよりも、少しだけ水を少なく入れましょう。
目安として、お米1合あたり大さじ1〜2杯(15~30ml)の水を減らすと覚えておくと簡単です。

まずは大さじ1杯減らすところから試し、お好みの硬さに合わせて調整してみてください。

ステップ4:【浸水】水分が多い新米でも「浸水は必要」

「新米は水分が多いから浸水はいらないのでは?」と思われがちですが、浸水は必要です!お米の中心までしっかり水分を行き渡らせることで、ふっくらと甘みのあるご飯に炊き上がります。

  • 浸水時間の目安:30分~1時間
    • 夏場など水温が高い時期:30分
    • 冬場など水温が低い時期:1時間

※長時間浸けすぎると、逆にお米が溶け出してベタつきの原因になるので注意しましょう。

ステップ5:【炊飯】「早炊き」モードがおすすめ

浸水が終わったら、いよいよ炊飯です。
通常の炊飯モードには、炊飯器側で設定された「浸水時間」が含まれていることがほとんどです。

今回はすでにしっかり浸水させているので、炊飯器の「早炊き」モードで炊くのがおすすめです。

高火力で一気に炊き上げることで、土鍋で炊いたような粒立ちの良いご飯に仕上がります。


以上が「新米の美味しさを最大限に引き出す5ステップ」です。ぜひ、お米が一番美味しいこの時期にお試しください。

【お悩み別】新米の炊き方 Q&A

質問
柔らかすぎた(ベチャッとした)時のリカバリー方法は?

レンジで水分を飛ばす:炊き上がったごはんを耐熱皿に薄く広げ、ラップをせずに電子レンジ(500W)で1~2分加熱すると、余分な水分が飛んで少ししっかりします。

逆に硬く炊けてしまったらどうすればいい?

ごはんの表面に日本酒(または水)を大さじ1杯ほど振りかけ、軽く混ぜてから再度炊飯器の保温スイッチを入れるか、レンジで温め直すとふっくら感が戻ります。

無洗米の新米の場合はどう炊くのが正解?

研ぐ必要はありませんが、気になる場合は1度だけサッと水をくぐらせて捨てると良いでしょう。水加減は、通常の白米の新米と同じく、目盛りより少しだけ減らすのがおすすめです。

新米の美味しさを長持ちさせる保存方法は?

お米は生鮮食品です。密閉できる容器に移し替え、冷蔵庫の野菜室で保存するのがベストです。温度と湿度が安定しているため、美味しさが長持ちします。

※ 具体的な保存方法は、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。

まとめ:新米を美味しく炊く5つのコツ

いかがでしたか?
新米を美味しく炊き上げるポイントは、たったこれだけです。

  1. 【計量】 すりきりで正確に計る
  2. 【研ぎ方】 最初の水はすぐに捨て、優しく素早く
  3. 【水加減】 目盛りより「大さじ1〜2杯」少なく
  4. 【浸水】 30分~1時間は必ず行う
  5. 【炊飯】 浸水が済んだら「早炊き」モードでOK

ほんの少しのコツで、いつものごはんが格段に美味しくなります。

食欲の秋は、ツヤツヤもちもちの新米を食卓の主役に、家族みんなで実りの季節を楽しんでいただけると嬉しいです!

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