「実家から米が送られてきたけれど、コイン精米機なんて使ったことがない…」「やり方を間違えてしまったらどうしよう」
初めて精米所に行くときは、使い方がわからず不安になりますよね。実は、コイン精米機の使い方はとてもシンプルです。
しかし、「小銭」や「お米が少なすぎると使えない」という落とし穴を知らないと、現地で慌てたり、最悪の場合は精米できずにそのまま持って帰る…。なんてことにもなりかねません。
この記事では、初めてでも失敗しないコイン精米機の使い方5ステップを解説します。また、後半では「家庭用精米機とどっちが良いの?」という疑問にお答えします。この記事を読めば、もう精米所の前で迷うことはありません。
コイン精米機の使い方は簡単!5つの手順で完了

コイン精米機は、音声ガイダンスが流れる機種も多く、使い方の説明についても上の写真のような案内が必ず書かれているので、基本的には誰でも簡単に操作できます。
まずは全体像を把握して、スムーズに作業を進めましょう。
行く前の準備(玄米・小銭・計量)
出発前に以下の3つを必ず確認してください。
- 玄米: 袋の口をしっかり縛って車に積みましょう。
- 小銭(100円玉): これがないと詰みます。 多くの機械は100円玉専用です。
- 計量(kgの把握): 持っていくお米が「何キロか」を確認しておきましょう。料金の目安になるほか、袋詰め時の溢れ防止になります。
手順①:お金を入れる(10kg 100円が目安)
到着したら、まずはお金を入れます。
料金の目安は地域や機種によりますが、一般的には以下の通りです。
- 10kgまで: 100円
- 20kgまで: 200円
- 30lkgまで: 300円
機械は投入金額分の量(例:100円で10kg)に達すると、まだお米が残っていても停止してしまいます。 もし「実は12kgあった」という場合、残りの2kgは玄米のまま出てきてしまい、せっかくの白米に玄米が混ざってしまいます。
「だいたいこれくらい」と勘で持って行くのは危険です。失敗しないために、必ず家で重さを測ってから精米しに行くことをオススメします。
手順②:玄米を投入口に入れる

次に、玄米を投入口へ入れます。(※機械によっては「①お米を入れる → ②お金を入れる」の順序の場合もあります。)ご利用になるコイン精米機の案内に従うのが確実です。
この時、袋の紐や異物が一緒に入らないよう注意しましょう。
手順③:精米レベル(標準・上白・7ぶつき等)を選ぶ
パネル操作で、お好みの「白さ」を選びます。
- 上白: 真っ白で綺麗だが、表面を多く削るためお米の量は少し減る。
- 標準: スーパーで売っているお米と同じくらいの白さ。
- ぶつき米(7分・5分など): 栄養価は高いが、少し茶色くぬか臭さが残る。
すべての機械で同じ設定ができるわけではありません。最新機種では「無洗米」や「分づき(3分・5分・7分)」を細かく指定できるものもありますが、古い機械では「標準・上白」のみという場合も…。
設定が決まりボタンを押すと、精米がスタートします!精米レベルごとの味や栄養価の詳しい違いについては、以下の記事を参考にしてください。

手順④:袋をセットしてペダルを踏む

精米されたお米がタンクに溜まります。10kg程度であれば、貯めることができるので、焦ってペダルを踏んでタンクを空にする必要はありません。
出口に袋をしっかりセットし、足元のペダルを踏むと、白くなったお米がザザーッと出てきます。
いきなり全開にすると、勢いで袋からお米が溢れてしまうことがあります。 最初は少しだけペダルを踏んで少量を出し、袋の底を広げて安定させてから、一気に入れるようするとこぼれにくいです。
特に古い機械には袋を置く台がないことが多く、10kg等の小さい袋では出口に届かず、お米が入って重くなる袋を空中で支え続けることになります。
最悪の場合、手を滑らせてお米をこぼしてしまう恐れがあるため、床に置いて安定させられる30kg用の大きな袋を用意しておくと安心です。(新しい機種なら足元に台が収納されていることもあります)
手順⑤:仕上げ(こぼれたお米の掃除・ぬかの確認)
お米を袋に詰めて「無事に終わった!」と一息つく瞬間ですが、最後に次の方への配慮と、「米ぬか」についても持ち帰れる場合もあるので、欲しい方は確認しておきましょう。
まず掃除についてですが、袋に入れる際にこぼれてしまったお米は、施設管理者や次の利用者の迷惑にならないよう、備え付けのほうきとちりとりで綺麗に片付けておきましょう。
次に「米ぬか」の持ち帰りについてです。ぬか床として人気があるものの、すべての施設で自由に持ち帰れるわけではありません。専用の倉庫(ぬかハウス)などがない場合やルールが不明な時は、トラブル防止のため、勝手に持ち帰らずにお店の人に確認してみることをおすすめします。
絶対NG!使用時によくある失敗と注意点

「簡単だと思っていたら失敗した…」とならないよう、以下の3点だけは絶対に押さえておいてください。
「100円玉」しか使えない機種が多い
これが最大のトラップです。
最新機種を除き、千円札や500円玉が使えるコイン精米機はほぼありません。
重いお米を積んで到着したのに、「財布に万札しかない!」となると、近くの自販機やコンビニまで車を走らせる羽目になります。必ず事前に必要な量の100円玉を数枚用意しておきましょう。
少量すぎる(5kg以下)と精米できない場合がある
多くのコイン精米機には「〜kg以下は精米できません」といった注意書きがあります。
投入する量が少なすぎると、圧力が十分にかからず、機械の中でお米が空回りしてしまいます。無理に使えば綺麗に精米できないだけでなく、お金だけ飲み込まれてしまったり、最悪の場合は故障してしまう場合もあるようです。
「1kgだけ試しにやってみよう」といった使い方をする場合はあとで説明する家庭用精米器の使用をお勧めします。
コイン精米器を使用する場合は、最低でも5kg〜10kg程度はまとめて持っていくのが無難です。まとめて精米した際、「お米の保存法補がわからない」という方は以下の記事で詳しく解説しています。

【徹底比較】コイン精米機 vs 家庭用精米機

本記事では、コイン精米機の使い方について解説してきました。精米に関してはコイン精米機を使う他に「家庭用精米機」という選択肢もあります。
どっちがいいの?と思うかもしれませんが、結論から言うと、一度に手間を済ませたいならコイン精米機、味と鮮度を追求するなら家庭用精米機がおすすめです。
しかし、それぞれには意外な落とし穴や、使ってみないと分からないメリットも存在します。以降では、両者を「コスト・味・手間」の3点から比較します。
参考までに以下の記事では、家庭用精米器のメリット、デメリットについて解説しています。

コイン精米機 vs 家庭用精米機:コスト比較(初期費用 vs 1回あたりの料金)
まずは気になる「お金」の話です。
コイン精米機の相場は、地域にもよりますが10kgあたり100円、30kgで300円程度が一般的。 1回あたりの出費は数百円と少なく感じますが、仮に毎月30kgのお米を消費する家庭の場合、年間で約3,600円ほどの精米代がかかる計算になります。
また、地方なら比較的さまざまなところにコイン精米機がありますが、都心だとそうはいきません。そこまでの交通費、手間を考えるともう少し精神的には負担があります。
一方、家庭用精米機は、初期費用として1万円〜2万円程度かかります。 しかし、一度購入してしまえば、その後の精米代はかかりません(電気代は1回あたり数円程度と微々たるものです)。ちなみに私は以下の家庭用精米器を使用しています。
もし2万円の家庭用精米機を購入した場合、コイン精米機(年間約5,000円利用と仮定)と比較すると、約4年で元が取れる計算になります。「長く玄米生活を続けるつもり」であれば、長い目で見ると家庭用精米機の方がコストパフォーマンスは良くなる傾向にあります。。
味と鮮度の違い:精米したての香り vs 熱による劣化
次に、お米の味を左右する「鮮度」と「精米の質」についてです。
「鮮度」に関しては家庭用精米機の圧勝です。 お米は精米した直後から酸化が始まり、時間が経つほど風味が落ちていきます。食べる直前にその日の分だけ精米できる家庭用精米機は、精米したての香りと水分量を保ったまま炊飯できるため、味は格段に美味しくなります。
ただし、精米の質ではコイン精米機に分があります。 コイン精米機は強力なパワーで一気に精米するため、お米同士の摩擦熱が発生しにくい工夫がされています。 また石抜き機能もあるため不純物が混ざりにくいです。
手間と時間の比較:重い米を運ぶ労力 vs 毎回のお手入れ
日々の生活に直結する「手間」の比較です。ここは両者のデメリットがはっきりと分かれます。
コイン精米機の最大のネックは「重労働」と「移動」です。 30kgの米袋を精米器まで運び、機械に投入し、精米後はまた持ち帰る…。特に夏場の暑い日には重労働です。また、精米所が混んでいれば待ち時間も発生します。
家庭用精米機のネックは「都度の作業」と「掃除」です。 重い米を運ぶ必要はありませんが、炊飯のたびに精米する手間がかかります。また、精米すると必ず出る「ぬか」の処理も必要です。ただ、「ぬか」に関しては、新鮮なうちにぬか漬けに使ったり、家庭菜園の肥料にしたりと有効活用できるメリットと捉えることもできます。
【結論】あなたのライフスタイルに合うのはどっち?

これまでの比較を踏まえて、タイプ別におすすめをまとめました。
- 一度に30kgすべてを精米して、手間を1回で終わらせたい人
- キッチンの置き場所を増やしたくない、または騒音が気になる人
- 重い米袋を運ぶ体力があり、苦にならない人
- たまにしかお米を炊かない、または消費量が少ない人
- 「とにかく美味しいご飯」にこだわりたい人
- 重い米袋を持ち運ぶのが辛い、または車を使いたくない人
- 3分つき、5分つき、7分つきなど、健康のために精米度を細かく調整したい人
- 新鮮な「ぬか」を活用したい人
ご自身の生活リズムや優先順位(味なのか、コストなのか、楽さなのか)に合わせて、最適な方を選んでみてください。
まとめ:自分に合った精米スタイルで玄米生活を楽しもう
今回は、初めてでも失敗しないコイン精米機の使い方と、家庭用精米機との比較について解説しました。
【コイン精米機を使う時のポイント】
- 必ず100円玉を用意していく
- お米の量を把握し、余裕のある袋を持っていく
- 失敗しないよう、到着したら手順(お金→投入→設定→回収)を確認する
- 「一気に終わらせたい・コスト重視」なら コイン精米機
- 「毎日の鮮度・運搬の楽さ重視」なら 家庭用精米機
どちらの方法を選んでも、玄米から精米することで、スーパーのお米とは一味違う新鮮さを楽しむことができます。ぜひこの記事を参考に、あなたにぴったりの精米ライフを始めてください!







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